人の意思決定は間違いばかり!? 3



前回は、人の意思決定における少数の法則とアンカー効果について紹介しました。


人の意思決定は間違えばかり!? 2 - 科学の力を日常生活に


今回も前回の続きで、人の意思決定に間違えさせるバイアスについて紹介していきたいと思います。


後知恵バイアスとハロー効果でわかったつもり


ハロー効果とは、はじめの印象がよかったから他のこともいいはずだと認知することをいいます。
例えば、美男、美女は性格もいいし、頭もいいように判断されやすいとか。景気のいい会社のCEOは高い評価を受けやすいとか。



後知恵バイアスとは、そもそも人の記憶力はあまり素晴らしいものではなく、簡単に変えることができることから生じる思考の誤りです。


ある実験では、明らかに間違っていたことを信じていた人に、真実はこちらだよ!といって教えてあげるという実験があります。
そして、その人に聞くわけです。あなたは、以前どんなことを信じていましたか?と
するとたいていの人は以前自分が、信じていたことを思い出すことができないのです。
つまり、私たち人間は過去に自分が行った過ちを記憶から排除する仕組みなのですね。



前回、株の予測はコイントスと同じというテーマで話しました。
トレーダーのほとんどは株の予測をまともにできていないという話ですね。


なのに、彼らはなぜ自分の予測は正しかったと、自信満々に言い張るかといいますと。
そもそも、会社の株価予測はその会社が好きかどうかなどの別の理由から無意識に選ばれた可能性が高く。(ハロー効果)
失敗して場合は後知恵バイアスによる記憶の修正がされるため、結果的に自分はすべての現象を予測できていたと錯覚するわけです。


さらに、私たちは日常生活で明らかにランダムなものを嫌い、それらにはなんらかの法則性があると信じています。


この予測ができていたという誤った考えは、予測がほぼ不可能な領域で生じます。
例えば、政治評論家、未来でどのようなビジネスが成功するか、その人物が成功するか失敗するかとか。


特に、10年ほど前に好調だった企業がなぜ今は、調子が悪いのか理由付けは沢山世の中にはびこっていますが。どれが真実なのかはほとんどわからないのです。


それは、コイントスの表がでた理由を必死に探しているのとほとんど同じ行為だといえます。私たちは、もっと統計情報や科学情報を参照してそれが、予測できるものなのか、予測できないものなのか知っておく必要がありますね。