人の意思決定は間違いばかり 5


心理会計とフレーム効果
心理会計とは、日常生活で使うお金を無意識で種類わけしていることをいいます。
取得方法による種類わけ
例えば、ギャンブルのような自分の努力ではなく運要素が強いもので手に入ったお金は大事にされない傾向があります。
例えば、
「パチンコで勝ったから、今日は贅沢するかー」みたいな心情ですね。
逆にこれが、自分の努力による確実な利益の場合
「がんばって稼いだお金なんだから、大事に使わないと」
みたいになるわけですね。
そのお金がどのような手順で手に入ったかを連想すると、人はその労力に比例してお金を大事に思えてくるわけですね。
大きな視点でお金というものを考えることを人は非常に苦手と考えているということですね。


使い方による種類わけ
例えば、スーパーで毎日100円くらいの差額を気にして他のスーパーに移動している人が、車を買いに来たときに差額が千円あるからといって他の自動車屋さんに行くようなことはしないとわかっています。


つまり、人は一度に目の前の情報しか処理できないため、お金の全体としての処理をすることができずに、「前見た車より安いから、これを買うか」みたいな目の前の情報に依存した意思決定しかできないのですね。


フレーム効果
人は、目の前に情報が提示されたときその情報のフレームの違いによって意思決定をかえてしまうことがわかっています。
リチャード・テイラーの有名な実験があります。
肺がんの手術において、放射線治療と手術の二種類の対処方法があります。長期的な生存率は手術のほうが高いですが、短期的に見れば手術は死亡リスクがあります。
その上で以下のような質問を医者の方々にしました。
「手術は短期的には、死亡率が10%です。」
べつのグループには
「手術は短期的には、生存率が90%です。」
すると、医者の人たちは上の質問では50%が使いたいと考えて、下の質問では84%も使いたいと考えたのです。


これは、別々に質問しているためこれらの条件を比較検討することはできません。
このように、質問の仕方を変えるだけで、意思決定を簡単にゆがめることができるのです。これをフレーム効果といいます。


まとめ。
何回も、言っていますがこれらの間違いは人の連想記憶の限界から生じることで、心理会計問題は他のシチュエーションと参照することで解決できますし。フレーム効果も二つほど頭の中で作成すれば、問題なく解決することができます。
大事なのは、自分の意思決定に自信を持ちすぎずに、他の情報を参照する努力を常にすることですね