みんなただ恋人がほしいだけなんだ。。。(性淘汰のお話)

恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化 (1)
恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化 (1)
岩波書店


今日は、性淘汰のお話について軽く紹介していきたいと思います。
以前にも進化論で軽く紹介していたのですが、今回はもう少し色んな人間の行動を性淘汰で説明していきたいと思います。


さて、性淘汰という言葉を聴いたことない人に軽く紹介しておきますと。生物には大きく分けて二つの淘汰が働いているとダーウィンが見つけたのですね。ひとつは適者生存、二つ目は性淘汰です。
適者生存は非常にシンプルは法則です。


つまり、自分の遺伝子を残せるのは生き残って、自分の遺伝子を後世に残せたやつが結果的に多数になるということですね。
つまり、生物はただ生きているだけで環境に対して最適化されていくという話です。


しかしですね、生物の生態系をこの適者生存の原則だけで説明しようと思うと、クジャクのような羽が美しい種がなぜいい残っているのか説明できないのですね。


だって、クジャクのような美しい種類の動物は簡単に敵に見つかってしまいますから、生存確率は低下して結果的に淘汰されてしまうはずです。
かのダーウィンさんも”クジャクの羽が意味不すぎて、吐いちまうぜ!”とツイートしてたくらい理解不可能なんですね。


そこで生み出されたのが性淘汰理論。
ざっくり、性淘汰理論とは雌もしくはまれに雄が異性を選択するときに選り好みするようになってことをいいます。
ここから多少話が複雑になります。つまり、クジャク(雄)の羽が美しくなってのはクジャクの雌が羽が綺麗な雄を好きになるように突然変異したからなんですね。


ちなみに突然変異とは、遺伝子が交配されたあとに以前とは異なる遺伝子に突然に変異することですね。


つまり、偶然にも現在にクジャクに羽の模様が好きな雌が突然変異で誕生して、それが結果的に生存に有利は方向に働いた結果クジャクという種は生き残ってんですね。
まあ、どちらかというとクジャクの羽の綺麗さが進化に役にたったというよりも、クジャクの羽が綺麗な雄ほど結果的に生存能力が高い可能性があるということですね。


たとえば、人間の例で話します。人間でいうなら男性ホルモンが多い人の方が短期的な性パートナーに選ばれる確立が高くなり。しかし、実は男性ホルモンは免疫機能を低下させる機能もあるのです。逆に考えれば自分の免疫機能をある程度まで低下させても問題ない固体だけが男性ホルモンを多く分泌するようになるわけです。


ですから、女性が男性ホルモンが多そうな固体を選択するのは非常に合理的な選択なんですね。つまり、結果的には健康な子供を生める可能性が高くなるからですから。しかし、一夫一妻の制の現状においては、男性ホルモンが多くなることでほかの女性にも手を出しやすくなるなどのデメリットも生じてしまいますので、モテ度はどっこいどっこいになるのではないでしょうか。


性淘汰の理論は人の適者生存の理論で説明できなかったような現象を説明してくれます。
なぜ、歌を歌うのか、絵を描くのか、面白いストーリーを書くのか、ユーモアはなぜあるのか、人は人を助けるのか。これらをなぜ行うのかには、適者生存で説明することは今までは非常に困難でした。
歌を歌うことで生存率が上がるなんて思いませんよね?外的に見つかりやすくなるだけです。ただ上記のような副産物的な機能を持って個体を好きになる遺伝子をもって人間だけが現状生き残ってのです。つまり、これらにはなんらかの淘汰が働き何らかのメリットがあったはずです。


ここで新しい考え方を導入してみたいと思います。それはハンディギャップ理論です。ハンディギャップ理論とはクジャクのような無駄な機能を持ち合わせた、無駄な機能にエネルギーをまわせるだけの余力があるわけですね。つまり、無駄な羽を持ってもあまりある活力とエネルギーで生存できる可能性が高いですよーという風にも見ることができるのです。


けど、これは僕のずっと疑問だったんですけど、クジャクの羽は進化的には生存にはまったく役にたたないという風に説明されることが多いと思うのですけど。
仮にクジャクと同種でクジャクの無駄に大きい羽のエネルギーを自分の体の筋肉にまわす力がある個体が存在して、雌がその筋肉の大きさに惚れるように進化していたとしたら、客観的にみてその個体のほうが生存率が高いように見えるのですけども、、、
まあ、自然というすべてのものを最適化する仕組み上で、クジャクは生き残ったのですからなんらかのメリットがあるのは明確ですけど、それはなんなのか非常に興味深いですね。
有力な仮説として、初期のころには大きな羽をもつ個体は何らかの適応表示(自分がどれだけ優秀な個体かを表現することこの場合、体力の多さ、生殖能力の多さなど)を示す指標としては優秀だからという理由になるかも知れませんね。だとしたらある程度の無駄な機能が生物につくのはしょうがないことで、その無駄が適応度表示になるという理屈が性淘汰としては有力ですね。


さてさて、無駄にクジャクの性淘汰の話をしましたが人間には関係ないよね?という風に見える方も多いと思います。
ですけど、現状は性淘汰である程度の人間の謎な機能が説明できるようになるかもしれません。
例えば、歌を例に取りましょう。歌うことは非常に生存に不利に働きます。なぜなら、外敵に目をつけられやすくなる可能性が高くなるからです。ですけど、人でも動物でも歌うものは多いですよね。例えば鳥などは相手の歌のうまさで生殖相手を決める種が多いですし。


では、歌がうまい個体はなんらかの生存上の有利を持っている可能性が高いですよね。人間の場合、歌のうまさは肺機能がうまく機能していること、綺麗な声を出すためには体の左右対称性が高い可能性が高くそれらの個体は遺伝的に優れている可能性が高いことなどが考えられます。ほかにも、歌には詩の作成能力(言語能力)や音楽の作成能力(自分の想像力表現など)の自分の適性表示な要素を含むことになります。
実際にバンドマンってモテますよね。自分が音楽の作成能力があること、自分の声が綺麗なこと、音楽的才能があることが性淘汰ではかなり重要になるようですね。
さらにそれらに対して労力を費やすほどの資産があることも伺えます。ですから、バンドマンもある意味でハンディギャップ的だといえますよね。


ほかにも、この世の中に存在する芸術に関わる学問はほとんど性淘汰の産物だと言えます。自分の周りを見渡してみると、確かに才能がある芸術家や音楽家は異性からモテルような印象を見受けられます。


さらに、芸術にもハンディギャップの理論が適用されます。つまり、芸術作品とはそれ自体がただ美しいだけではだめで、それなりに労力を必要とする行為だった可能性が高いわけです。写真というものが登場してから風景をそのまま記述する絵画というもの価値が下がるようになりました。
具体的には抽象画などの現実の風景とは異なるものを描いたほうが、社会的な評価を得られるようになったのです。


大事なのは、その作品がどれだけその人物の実力的側面を含んでいるかが大事になります。つまり、技術的に精密なものはその人物の高い知性を示唆させます。


ほかにも、他人に親切にする行為は実は進化論上では、矛盾を生む行為になります。
仮に自分と血縁関係があるものにだけに投資するように、動物が設計されているならそれは確かに非常に合理的な戦略になります。なぜなら、自分遺伝子が後世に受け継がれる可能性が高くなりますから。しかし、まったく見知らぬ人に何かを投資することは非常におかしな行為です。なぜなら、もしも自分資産を他人優先にする利他的な個体が存在するとすれば、その個体は利己的な個体悪用されたすぐに淘汰されてしまいます。


けど、現実世界には他人にボランティアする人々、他人を助ける人々などが存在するのです。これらも実は性淘汰で説明できる言うと驚くでしょうけど、実際に説明できてしまうのです。


仮に性淘汰では、ないと仮定するとほかには互恵性などが存在します。つまり、利他的な行動をとるような行動を種全体が行うとするとリスクが分散されて結果的に種全体が進化しやすくなるということですね。確かになっとくしやすい理論です。
しかし、ゲーム理論的な考え方をしますとこの状況は公共の財ゲームてきですよね。つまり、他人が協力的な時に自分が裏切ると結果的に裏切った人物が一番利益を得ることができることは数学的に証明されています。確かに人間以外のほとんどの種は自分の遺伝子をもっていない個体はまったく無視する傾向にあります。
実際にチンパンジーでは行われた実験では、チンパンジーは自分以外の個体に対してあまり親切的な行動をしない傾向があったそうです。


じゃあ、なぜ人間は他人に親切にするような淘汰が働いたのでしょうか?それはおそらく性淘汰が働いた可能性が高いです。恋人に求める資質ランキングで一番に来るものは、他人に親切にする道徳心です。つまり、われわれは他人に親切にする個体を好きになるように進化したのですね。まあ、サイコパスさん以外ですけども笑


これらの証明されたとはいえませんが、面白い実験があります。男女混合で公共財ゲームをさせると男同士や女同士よりも男女混合のときにみんな協力的になる可能性が高くなったそうです。
つまり、男性も女性も異性がいるときには他人に親切にする可能性が上がるんですね。


まあ、結局他人に親切にするという行為はその人物と付き合ったりパートナーとして自分と心地よい関係を築くためには重要な資質だともいえますよね。


最後の性淘汰の理論が面白いのは、適者生存では公共財ゲームのような局所的最適解にいたる可能性が高かった(つまり全体としてはもっといい選択肢があるのに、あんまりな選択にとどまってしまうこと)ことが性淘汰のおかげで結果的に種全体の利益が向上するように進化したことが非常に面白いですよね。


あと最後に性淘汰は、雌が雄を選り好みすることがメインになります。なぜなら、雌は妊娠すると子育てあるため、約2年ほど子供を孕むことができなかったのですね。そのため雌は雄を選り好みする必要性がでてきたのですね。男は一発のコストが安いから乱交戦略をとりますが、女性は妊娠コストが高いため他人を選り好みします。
ですから、芸術家、音楽家、スポーツ選手(肉体的適性を他人に見せびらかせるから)、起業家(財産を築いて自分の社会的地位を向上させる)には男性が圧倒的に多いわけですね。


最後にこれらの理論は人間はフロイトみたく性的欲情をしたから絵を描いているとか、歌を歌っているとか主張したいわけではないことをご理解ください。美術を見て美しいと思う心と性的欲情がまったく同系統の脳の回路を必要とする必要はないんですね。つまり、本当に私たちは無意識にそれらの行動を性的誇示だと思わずにおこなっているんですね。


鳥に聞いてみてください、きっと彼らはこのようにコメントするでしょう。
「俺たちの美しい歌声が欲情しているからだって?馬鹿をいっちゃいけないと兄ちゃん。俺はあの歌はただ歌いたいから歌っているのさ。俺の美しい芸術にそんなケチをつけてもらっては困るね。」
みたいな感じにね。


つまり、私が言いたいのは古来なら性的アピールであったものを人が現代の娯楽的なものとして、分離させております。ですから、それを美しいと思う心と欲情とはまったく別物なのですね。まあ、多少は行動のタイミングには相関があるでしょうけど。
実際に、若い男はヒロイズム、音楽にはまりやすい、無駄に他人に奢るなど高齢者よりも、女性よりも行う傾向が強いですからね。



ですから、人間という種は上記のような理論が正しいと仮定すれば、非常に生物としては面白い進化をしたといえるでしょう。象から見たら僕ら非常に奇妙な生態系の持ち主のように感じるでしょうね。


あと、最後に上記の理論は現状もっと人間がなぜこのような生活をしているのかについて、進化論的説明が妥当というだけです。性淘汰で人間のすべての行動を説明できるわけではありませんとも、作者のジェフリー・ミラーさんも言っております。


それに進化論は間違えで実は、人間は神様が作ったのかもしれませんし、宇宙から急にやってきたのかもしれません。
それと、将来的にこれらの理論が改変される可能性がありますので気をつけてくださいね!


番外編
ここからは多少シモネタになるので、見たくない人はブラウザバックでお願いします笑
上記では、性淘汰の脳的側面がメインで話してきましたが、今度は人間の体的な側面で紹介します。実は人間のペニスは霊長類の中でも大きい方なんですね。本来ペニスの大きさと女性の妊娠しやすさにはまったく相関がないそうなんです。つまり、ペニスが大きくなったのは女性がペニスが大きいものを好む個体が突然変異で生じたからなんですね。そうペニスとはまったくの装飾品なんですね。
だからと言って、見知らぬ女性に僕のペニス魅力的でしょう?と聞くのはやめましょう。
女性は選り好みしますから相当なイケメン出ない限りかなり、一生の繁殖機会を失うかもしれない称号をもらいかねませんからね。


女性のバストもちなみに性的装飾品です。どうやら女性のバストの大きさとバストからでてくる母乳の栄養価的な質には統計的相関がありませんからね。僕らが男がバストに魅了される理由がよくわかりますね。
ちなみにバストは実は大きさよりもバストの左右対称性の方が重要だということがわかってきました。ですから女性のみなさんはおっぱいの形に最大限気をつけたほうがよさげですね。まあ、バストが大きくないと左右対称かわからないから大きさが重要なのですけどね。
ですので女性は自信があるなら男性に積極的に胸をアピールしたほうがよさそうですね。まあ、雑魚がかなり釣れる可能性がありますが(僕も毎度釣られております)、あなたには選り好みをする権利があるのだから、2m級のときだけ釣竿を引き上げるだけでいいでしょう。


あと最後にこれらのアドバイスは適当に流してください。女性の場合は